
【レポート】ルワンダ・JICAプロジェクト参画:最高のマイクロロットを未来へ
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COFFEE ROOTS代表の倉持です。
東アフリカ内陸に位置するルワンダ。「コーヒーに携わる農協と農家の支援」を目的に「JICA(国際協力機構)プロジェクト」に参画させてもらい、2年目となります。
初年度の私の主な担当分野は、「品質競争の市場(スペシャルティコーヒー)」で大きな付加価値を生む「精製(プロセス)」。
長らく伝統的なFully Washedを軸に生産を続けてきた国で、プロセスの可能性、具体的な加工手順、一つ一つの工程の持つ意味などについて、現場レベルで体現、伝達してきました。
・「ナチュラル、ハニー、ウォッシュト」などの基本的な精製方法に関する体系的な理解(プロジェクトによるマニュアル作成に寄与)
・品質を大きく左右する重要な工程〜「選別」「(果肉除去)」「発酵」「乾燥」「保管」〜についての体験を踏まえた理解、
・同一の場所から採れたチェリーを用いた複数のExperimental(試作)と成果物(風味)の比較、
・品質評価をカッパー(官能評価をするプロフェッショナル)と共有、
これらを経た2年目は、経験も意欲も向上している農協や農家の面々と共に、より深化した『最高のマイクロロット』(小規模で生産者、品種、加工が明確なより高品質なロット)」、そして幅を広げる「Experimental Lot」作りへ挑戦します。
①ルワンダ東部キレへ(Kirehe)に位置する「コアカキ(COAKAKI)農協」、
②南部ルハンゴ(Ruhango)の「アラビカ(ARABICA)農協」、
との業務を終え、首都キガリへと戻りました。
現地のプロフェッショナルたちと手を取り合い、COFFEE ROOTSが培ってきた専門知識を農協メンバーや小規模農家の皆さんへ共有、そして、彼らの生計向上に直結する「付加価値の高いコーヒー作り」をサポートしています。
現地での熱い取り組みの様子をレポートいたします。
1. 「最高のマイクロロット」を生み出す科学的アプローチ


昨年の評価をベースに、今年は農協のみなさんと共に「2種類の高品質なマイクロロット」の共同生産に挑みました。
私たちが大切にしているのは、単なる作業の伝達ではなく、「なぜその工程が必要なのか」という本質的な理解です。
| プロセス | 重点を置いた取り組み | 期待される効果 |
| Fully Washed | pH管理の徹底 | 発酵を科学的にコントロールし、クリーンで明るい酸味を引き出す |
| Natural | チェリーの層の厚み管理と「スロードライ」 | 水分値・水分活性を細かく管理し、熟成された深い甘みを実現する |
| 共通工程 | 農家グループごとの厳密なロット分離 | 各農園の「テロワール(土地の個性)」を純粋にカップに反映させる |
特にウォッシュト精製におけるpH管理では、科学的根拠に基づいた数値管理が風味にどう影響するかを、実践を通じて共有しました。現地の気候は常に変化しますが、マニュアルを鵜呑みにするのではなく、その場の状況に応じた柔軟な判断こそが、最高品質への鍵となります。
また、地道な「選別作業」こそが雑味の少ない「クリーンカップ」を向上させ、より華やかな風味につながります。
そのことを生産者一同で理解し、皆で共通の目標に向かって最高のチェリー、パーチメント原料を目指しました。
sorting parchment
2. 10を超えるテスト生産:技術の「引き出し」を増やす

今年は特定の精製方法に焦点を絞り、10パターン以上のテスト生産を実施しました。精製方法の違いがどのようにキャラクターとして現れるのか、その深い探求は農協にとって大きな財産となります。
「これらの知見は、農協の技術的な『引き出し』を増やし、コーヒーに圧倒的な付加価値を与えます。それが国際的なバイヤーとの共通言語となり、農家の持続的な生計向上に繋がると確信しています。」
私たちが現地で共に汗を流し、得られたデータや経験は、ルワンダのコーヒーが世界中のロースターや消費者に選ばれるための強力な武器になります。
3. 生産者と消費者の豊かな架け橋として

COFFEE ROOTSの使命は、スペシャルティコーヒーの「多様性」を守り、未来へつなぐことです。このプロジェクトへの参画を通じて、ルワンダコーヒーの無限の可能性を世界へ発信し、生産者には正当な対価を、消費者の皆様には感動の一杯をお届けしたいと考えています。
COAKAKI・ARABICAの農協及び農家の皆さんの情熱が詰まったこのマイクロロットが、コーヒー愛好家の手元に届く日を楽しみにしています!